新成瀬あかりシリーズとは
『成瀬あかりシリーズ』(通称:成瀬シリーズ)は、宮島未奈による日本の青春小説シリーズ。主人公・成瀬あかりの奇抜で全力な日常と成長を描いた連作短編集で、滋賀県大津市を舞台に、地元愛あふれるエピソードが魅力。2023年3月のデビュー作刊行以来、爆発的な人気を博し、2025年10月現在、シリーズ累計発行部数は150万部を突破。2024年本屋大賞、坪田譲治文学賞など21の文学賞・アワードを受賞し、ミリオンセラーを達成した。装画・挿絵はイラストレーターのざしきわらしが担当。物語の時間軸は現実の出来事(例: コロナ禍の西武大津店閉店)と連動し、読者に親近感を与える。

成瀬あかりは、中学2年生の夏から始まる「我が道をいく」少女。目標は「二百歳まで生きること」で、M-1グランプリ挑戦、髪を切らない長期実験、観光大使就任など、破天荒な行動で周囲を巻き込む。視点は主に幼馴染の島崎みゆきから描かれ、成瀬の「成瀬らしさ」がもたらす影響をコミカルに、時に優しく綴る。コロナ禍やご当地ネタ(大津のローカル番組「ぐるりんワイド」など)が織り交ぜられ、青春の脆さと強さをテーマにしている。
新作『成瀬は都を駆け抜ける』(12月1日発売、全6篇、完結編)が発表された今、シリーズの全貌を振り返るまとめ記事をお届け。読む順番は刊行順(時系列順)で問題なし。未読の方はここでネタバレを避けつつ、全体像を把握してください。
作品一覧と概要
| 巻数 | タイトル | 刊行日 | 収録短編数 | 簡単なあらすじ(ネタバレ最小限) | 舞台・ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1作 | 『成瀬は天下を取りにいく』 | 2023年3月 | 5編 + 外伝1編(全6編) | 中2の夏から高3の夏まで。西武大津店閉店に絡む夏休み、M-1挑戦、坊主頭の入学式など、成瀬の「天下取り」宣言が炸裂。コロナ禍の日常をユーモラスに描く。 | 大津市(膳所エリア中心)。デビュー作で本屋大賞受賞。 |
| 第2作 | 『成瀬は信じた道をいく』 | 2024年4月 | 4編 | 高3の大学受験期から大学1年生へ。観光大使就任や新キャラとの出会いを通じて、成瀬の地元愛が深まる。2025年本屋大賞ノミネート。 | 大津市。文庫版は発売前重版決定。 |
| 第3作(完結編) | 『成瀬は都を駆け抜ける』 | 2025年12月1日 | 全6篇 | 京大生になった成瀬が京都へ。達磨研究会、簿記YouTuber、恋に破れた同級生など新顔との交流で、シリーズ大団円。幼馴染・島崎との絆も焦点。 | 京都(京大周辺)。累計150万部突破記念の完結作。 |
- 読む順番: 時系列でつながるので、1→2→3の順がおすすめ。第1作の外伝「階段は走らない」は独立性が高いが、全体の流れを崩さないよう最初に読むのがベター。文庫版(第1作は2025年6月発売)も出揃いつつあり、持ち運びやすい。
- 派生作品: コミカライズ版(第1作、2024年刊)、中国語・韓国語訳あり。オーディオブック(CV: 山根綺)も人気で、Amazon Audible過去10年TOP20で第1位(第2作は9位)。
主要キャラクター

- 成瀬あかり(主人公): 14歳からスタートの「成瀬らしさ」の塊。スケールの大きな宣言(例: 「この夏を西武に捧げよう」)で行動し、周囲を翻弄。脆さも垣間見え、読者が感情移入する鍵。CV: 山根綺(オーディオ)。
- 島崎みゆき(幼馴染・語り手): 成瀬の相棒で、ゼゼカラ(お笑いコンビ)のツッコミ役。成瀬史の「見届け人」として、冷静に観察。東京進学後も絆は続く。
- 新キャラ例(第2作以降): 小学生の成瀬ガチ勢、観光大使パートナーなど。完結編では京大生の個性派(達磨研究者など)が加わり、多角的な視点が増す。
受賞歴・人気の秘密

- 主な受賞: 2024年本屋大賞(第1作)、坪田譲治文学賞、静岡書店大賞、キノベス!2024など21冠。2025年本屋大賞ノミネート(第2作)で2年連続。
- 人気の理由: 成瀬の「全力で生きる」姿が、日常の閉塞感を吹き飛ばす。地元大津のリアル描写(西武大津店、びわ湖放送)が「ご当地文学」として共感を呼ぶ。SNSでは「成瀬あかり史を見届けたい」というファンが続出。
- 数字でみるヒット: 2025年1月累計100万部、6月140万部、9月150万部突破。限定版(第1作)も発売。
新作『成瀬は都を駆け抜ける』に向けて
シリーズがついに完結! 京大生の成瀬が京都の伝統と現代を駆け巡る姿は、ファン待望の「次なるステージ」。島崎との関係や、二百歳までの野望がどう締めくくられるか、期待が高まる。発売前に第1・2作を読み返して、成瀬の成長を追体験しよう。成瀬あかりは、きっとあなたの「信じた道」を照らしてくれるはず。

