椎名誠『アド・バード』徹底解説!未来の広告戦争を描くSF小説

お気に入りの本

『アド・バード』は、作家・椎名誠が1987年から1989年にかけて連載し、1990年に出版したSF長編小説です。本作は日本SF大賞を受賞し、椎名誠の代表作の一つとして高く評価されています。

ろんすけ<br><br>
ろんすけ

子供のころ初めて買った小説

物語の概要

物語の舞台は、広告戦争によって荒廃した未来の世界。主人公・安東マサルとその弟・菊丸は、行方不明となった父を探すために旅に出ます。彼らが住むK二十一市からマザーK市への旅の途中で、数々の改造生物や危険な生物と遭遇し、過酷な世界を生き抜いていきます。

主な登場キャラクター

安東マサル

本作の主人公。弟の菊丸とともに、広告戦争で混乱した世界を旅する青年。生き延びるために戦いながら、父の行方を追います。

菊丸

マサルの弟。兄と共に旅を続ける少年で、互いに深い信頼を寄せ合っています。マサルの指示に従いながらも、時折見せる成長が印象的です。

キンジョー

生体アンドロイド(ズルー)。関西弁を話すユニークなキャラクターで、マサルたちの旅の仲間となります。その独特の語り口と振る舞いが物語のアクセントとなり、読者の心を掴みます。

ろんすけ
ろんすけ

キンジョーの関西弁がにくめないw

改造生物と危険な生物

『アド・バード』の世界には、広告戦争の影響で生み出された改造生物や危険な生物が数多く存在します。

  • アド・バード:群れをなして空中に広告の文字を作る宣伝用の鳥。特定のターゲットに直接セールスを行う「メッセンジャー・バード」も存在。
  • ヒゾムシ:科学合成虫で、あらゆるものを分解し、土に変えてしまう。
  • ワナナキ:鉄を食い尽くし、強力な酸を出して腐蝕させる生物。
  • 赤舌:触手を持つ動く絨毯のような生物。ヒゾムシなどを捕食する。

物語の背景とテーマ

『アド・バード』の世界では、ターターとオットマンの両陣営が広告戦争を繰り広げています。この戦争の結果、都市は荒廃し、外の世界は改造生物や危険な生物がはびこる無法地帯と化しました。

本作は、単なる冒険SFではなく、**「広告とは何か?」「過剰な商業主義がもたらす未来」**といった社会風刺的なテーマを持っています。現代社会における広告の影響を考えさせる鋭い視点が込められており、単なるエンターテインメントにとどまらない深みのある作品です。

『アド・バード』の魅力

椎名誠ならではの独創的な世界観

椎名誠は、『アド・バード』で他のSF作品にはないユニークな世界観を構築しました。広告と生物が融合した奇妙な未来像は、読者に強烈な印象を残します。

SF×冒険×社会風刺が融合した物語

『アド・バード』は、スリリングな冒険要素と鋭い社会風刺が絶妙に組み合わさった作品です。特に、広告が暴走する未来というテーマは、現代のインターネット広告やマーケティング戦略にも通じるものがあります。

魅力的なキャラクターたち

マサルと菊丸の兄弟愛、関西弁を話すアンドロイド・キンジョーなど、個性的なキャラクターたちが物語を彩ります。特にキンジョーの存在感は強烈で、多くの読者に愛されています。

SF好きにおすすめの名作!

『アド・バード』は、SF好き、冒険好き、RPG好きなら間違いなく楽しめる作品です。椎名誠の作品の中でも特に独創性が際立つ一冊であり、広告戦争というテーマを通して、未来の世界を想像する楽しさを提供してくれます。

今もなお多くの読者に愛される『アド・バード』。まだ読んだことがない方は、ぜひこの機会に手に取ってみてください!

ろんすけ
ろんすけ

SF好き、冒険好き、RPG好きには間違いない超おすすめです。

タイトルとURLをコピーしました