はじめに|「すごい会社」って、何が違うの?
「Appleやディズニーって、なんであんなに続くんだろう?」
「起業したいけど、どうすれば“続く会社”になるんだろう?」
そんな疑問に真剣に向き合ってくれる本があります。それがジム・コリンズ著『ビジョナリー・カンパニー』シリーズです。
この本のすごいところは、「なんとなく成功した企業」ではなく、「時代を超えて成長し続けた企業」に注目して、その共通点を明らかにしている点。
つまり、「たまたま当たった会社」じゃなくて、「意図的に育てられた会社」の秘密が書かれています。
「難しそう…」と思った人も大丈夫。この記事では、読んでない人でも内容がスッと頭に入るように、わかりやすくまとめました。
著者ジム・コリンズってどんな人?
ジム・コリンズは、アメリカの経営コンサルタント・研究者で、スタンフォード大学で教鞭をとっていた人物です。
彼の強みは、膨大なデータ分析と、明確な仮説をもとに企業を研究するスタイル。「感覚」ではなく「証拠」で語る人です。
彼が書いた『ビジョナリー・カンパニー』は、世界中で読まれ、経営者だけでなく、ビジネスパーソン、学生、NPOまで、多くの人に影響を与えています。
『ビジョナリー・カンパニー』シリーズは全部でいくつある?
実は『ビジョナリー・カンパニー』はシリーズ化されていて、以下のようになっています:
- 第1作:『ビジョナリー・カンパニー① 時代を超える生存の原則』
- 第2作:『ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則』
- 第3作:『ビジョナリー・カンパニー③ 衰退の五段階』
- 第4作:『ビジョナリー・カンパニー④ 自分の意志で偉大になる』
今回の記事では、特に読まれている①と②を中心に紹介します。
『① 時代を超える生存の原則』まとめ
この本の問いはシンプルです。
「どうすれば企業は“時代を超えて生き残れる”のか?」
キーワード①:時計をつくる人になれ
多くの人は「正しい時刻(ノウハウ)」を教えたがりますが、コリンズは言います。
「時刻を教えるのではなく、時計を作れ」
つまり、経営者はノウハウを教えるのではなく、組織全体が“正しい判断”を自動でできるような仕組みを作れ、ということ。
キーワード②:カルト的文化
偉大な企業は「ちょっと変わってる」くらい、自分たちの価値観に強くこだわります。
メンバーもそれを心から信じている。だから迷わないし、ブレない。
キーワード③:BHAG(ビーハグ)
これは「Big Hairy Audacious Goal(大胆不敵な大目標)」の略。
普通の目標じゃなくて、みんなが「本気で燃える」ようなワクワクする目標を掲げよう、という話。
たとえば、「アポロ計画で月に人を送る」といった、実現が難しそうでも魂が燃えるような目標です。
『② 偉大な企業への飛躍』まとめ
この本のテーマはこうです。
「いい会社が、どうすれば“偉大な会社”になれるのか?」
コリンズは“そこそこ成功してる会社”の中から、「ある時期から急に成長が加速した企業」に注目しました。そして、その共通点を探ります。
ポイント①:第五水準のリーダー
カリスマじゃない。けれど、しぶとくて、謙虚で、粘り強い。
そういう“陰の努力型”のリーダーこそが、会社を本当に伸ばす。
この「第五水準のリーダー」は、目立たないけど本物です。
ポイント②:適切な人をバスに乗せる
まずは「何をやるか」じゃなくて、「誰とやるか」。
バス(会社)に“正しい人”を乗せて、“間違った人”は下ろす。
そして正しい人を「適切な席」に座らせる。
ビジョンが先ではなく「人」が先、というのがコリンズ流の逆説です。
ポイント③:ハリネズミの概念
ハリネズミは敵がきても丸まって身を守る。それだけ。
ビジネスでも、「得意なこと」「情熱を持てること」「経済的に成り立つこと」の3つが重なる一点に集中するのが成功の鍵だ、という考え方です。
代表的な企業事例(今から見るとどう?)
当時挙げられていた“ビジョナリー”企業は、
- ウォルト・ディズニー
- IBM
- P&G
- ノードストローム
- ソニー(当時)
などですが、2025年の今、全てが順風満帆とは言えません。
ですが、コリンズの研究が「短期の業績」ではなく「長期の原則」に焦点を当てている点が評価されています。
いま活かすにはどうすればいい?
この本は経営者向けだけではありません。
- スタートアップを始めたい人
- チームリーダーを任された人
- フリーランスとして軸を持ちたい人
- 学生団体で動きたい人
誰にでもヒントになります。
たとえば、自分のチームで「BHAGを掲げる」とか、「“誰とやるか”を真剣に考える」など、すぐにでも使える考えが満載です。
まとめ|「偉大な会社」は“天才が作る”わけじゃない
最後に、この記事で紹介したポイントをざっとまとめてみます:
- 成功は一発勝負じゃなく、仕組みと文化の積み重ね
- リーダーはカリスマより「謙虚で粘り強い人」が最強
- 「誰とやるか」がすべての出発点
- 得意・情熱・経済性が重なる一点に集中せよ
- 大きすぎる目標(BHAG)こそ、組織を燃えさせる
ジム・コリンズの本は、「頭の良さ」ではなく「考え続ける力」と「人を信じる力」の大切さを教えてくれる一冊です。
「読んでないけどわかった気がする!」という人が増えたら嬉しいです。
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